「花に恋した男の話」歌詞


1.ヴァルキューレ

 

少女は僕の足元で静かに優しく倒れてた

陽炎がゆれる夏の日の 音の無い朝に

 

僕は気づいてた 最後の別れさ

ヴァルキューレ 忘れないよ 忘れないよ

 

9月4日8時 うつむきながら

駐車場へ歩く いつもと同じ

ところがこの日は違った 一人の少女に出会った

それはそれは美しい少女

 

9月5日8時 高鳴る胸おさえ駐車場へ

この日もまた同じ場所で少女と出会った

街の景色は変わり まるで時が止まった

僕は君に恋をした

 

あたたかい光が二人を包んだ

ヴァルキューレ 離さないで どうか少しだけ…

 

9月6日8時 うつむきながら

赤らむ頬かくし君を感じた

 

ところが9月7日8時 よく晴れた朝

静かに君は道で倒れてた

 

そしてその日の夜 僕は住み慣れたこの街を去った

仰向き見上げた空にオーロラを見たんだ

 

あの子は元気だろうか? 今何をしてるのか?

たしかあの子の名前は 「カンナ」

 

 

Words by 加世多 俊輔


2.息

 

夕焼け色に染まる空を見ていた 

窓越しに映る姿を見て思った

さよなら世界 僕はただ 

この空でギュッと息を吐く

 

僕の体は単純で それにからまった細胞が

君を求めてるんだよ

僕の命は単純で それにからまった感情が

君を感じてるんだよ

 

生きているという意味を考えてみた

吸い込んで吐き出すことがそれか

違う

例えば吸い込んだ時に匂いを感じること

 

僕の体は単純で それにからまった細胞が

君を求めてるんだよ

僕の命は単純で それにからまった感情が

君を感じてるんだよ

 

扉叩いてみてよ 扉叩いてみてよ 扉叩いてみてよ 

僕の心の奥の

扉開いてみてよ 扉開いてみてよ 扉開いてみてよ 

扉開いてみたら ほら僕が見てた

 

僕の体は単純で それにからまった細胞が

君を求めてるんだよ

僕の命は単純で それにからまった感情が

君を感じてるんだよ

 

だけど何を恐れているの?

何を悩んでいるの?

この澄んだ空の下

そうさ思えば今が今であるように

君と今この瞬間それだけでいいんだよ

 

夕焼け色に染まる空を見ていた

多分君も今見ているんだろうな

大丈夫世界 僕はまだ

この空でギュッと息をするのさ

 

 

Words by 加世多 俊輔


3.ノーレリー

 

あの日の僕の過ちを今思い出していた

たいそれたもんだよなって思わず笑った

いつか僕もあんな風に年をとれるかな

公園の老夫婦見てそう思った

変わりたいこと 変われないこと 分かってたはずさ

泣きたくないと嘘ついて ほら 泣いた

 

僕らの間にある神様 どうか教えて

僕らはあとどれだけ傷つけ合うの?

 

今度は上手くいくのかな 上手くいくといいな

寄りそっていて欲しいな 寄りそってあげなきゃな

君の声が分かるといいな 僕の声は届くのかな

怖いんだよな 時間もない

もう最後なんだよ

 

始めてばかりでこんなこと言ってごめん

無防備に生きた世界がなつかしい

ほら僕らの間にある神様 どうか教えて

僕らはあとどれだけ 試し合うの?

 

でもね神様 僕は一つ分かったことがある

誰かに頼ってた僕の中の弱さを

 

僕らの間にある神様 ねえ神様

僕は今新たな世界をはじめるよ

僕らの間にある神様 どうか見ていて

今少し ほんの少し 2人の手に灯りがさしたよ

 

 

Words by 加世多 俊輔


4.湿度

 

秋風が吹いて外はピンと張り付いて

窓の水滴をなぞり君の名前を書いた

その水滴が垂れてジグザグに落ちてゆく

忘れてた思いをちょっと思い出した

夢ならば覚めないでいてと心から願った

 

あの日の言葉に会いに行き ついでに君にも会いに行こう

その声たまにつたなかった その手はいつも冷たかった

少し涙もろくなったか あの日は君が泣いてたのに

少し時が経ち過ぎたのか そしてさよならいつかまた何処かでさ

 

夕暮れになって外が暗くなったら

空を見上げてみた ちょっと切なくなった

夢ならば覚めないでいてと心から願った

 

あの日の言葉に会いに行き ついでに君にも会いに行こう

その声たまにつたなかった その手はいつも冷たかった

少し涙もろくなったか あの日は君が泣いてたのに

少し時が経ち過ぎたのか そしてさよならいつかまた何処かでさ

言葉にだって存在してる 言葉にだって存在してる

 

 

Words by 加世多 俊輔


5.世界一バカで単純な歌

 

友が遊ぶ約束をした日に死んだんだ

最後に話した相手が僕だって聞いた

 

青すぎる太陽が時々まぶしかったり感じるんだ

それでもまた明日は必ずやって来るから夜を待とう

 

「じゃあ例えば僕が死んだらどうする?」って

まるで誰かの歌みたいなことを言うけど

そのときは太陽のように明るかった

君の笑顔が見たい

 

ただいまの後の返事で涙が出る 君が笑う

愛されるぬくもりを初めて感じられた 僕が笑う

ああ ただバカみたいに明るい

 

だけどあいつも君も今は遠いお星様

僕は今日もまた一人ぼっち 夜を待つよ

 

それでもまだ今も 生きている 生きている 生きている 息をしてる

今はあさっての夢は見られないけど息をしてる

だから今はささいな幸せ感じるたび微笑むんだ

そしたらさ 気づいた 周りの人すべてが微笑んでた

ただ ただ 単純に人を愛す

 

 

Words by 加世多 俊輔